技術コラム(第23回)Raspberry Piについて

このコラムでは、Raspberry Piについて以下の流れでご説明いたします。
 Raspberry Piとは?
 Raspberry Piでできること
 Raspberry Piのモデル紹介
 終わりに

Raspberry Piとは?

「技術コラム(第17回)マイコンについて」の中で、マイコンボードについて解説しました。本記事でご紹介する、Raspberry Piはそのマイコンボードの一種です。

Raspberry Piは2012年に発売が開始され、現在まで様々なモデルが販売されています。もともとは学習用として開発されましたが、最近では開発現場でも利用されています。組込開発.comの開発実績の中にもRaspberryPiを利用しているものがあります。

Raspberry Piには様々なモデルがある事をお話しましたが、すべてのモデルで共通した特徴をご紹介いたします。

  • OSを搭載できる
    標準でLinux OSが用意されています。
    ただし、Raspberry Pi Picoには、Linux OSは搭載できません(FreeRTOSなどのOSは搭載可能)。
OSイメージ
Raspberry Pi I/Oポート イメージ
  • GPIO(I/Oポート)がついている
    マイコンボードなので、他の回路と接続しやすいようにGPIOがついています。大体のモデルはヘッダピンが半田付けされた状態で販売されています。ただ、一部モデルでは自分でヘッダピンを半田付けする必要があります。また、拡張ボードを用意しないとGPIOが利用できないモデルも存在します。

  • 安価
    Raspberry Piの多くのモデルは、I/Oポートが付いたパソコンというイメージです。そのような高性能の製品が2000円~10000円程度というお手頃価格で手に入ります。

安価イメージ

Raspberry Piでできること

Raspberry Piでどんなことができるかを紹介していきます。

  • PCとして利用
    Linux OSを搭載できるモデルであれば、ディスプレイなど周辺機器を接続してPCとして利用できます。ただし、安価なモデルでは処理が遅く、PCとして利用するには難しい場合もあります。

PCイメージ
サーバイメージ
  • サーバーとして利用
    Raspberry PiはPCと比較して消費電流が小さいため、Webサーバーとして利用されることが多いようです。一時間当たりの平均消費電力はおおよそ以下の通りです。
デスクトップPC100~120W程度
Raspberry Pi(消費電力が大きいモデル)3W程度

  • 組込機器として利用
    Raspberry Piには、GPIOがあるので自作回路との組み合わせに向いています。また、GPIOに取り付けられる周辺機器が市販されており、それらと組み合わせることもできます。そういった回路・周辺機器をRaspberry Piのプログラムで制御することで、組込機器として利用できます。
組込デバイスイメージ
IoTイメージ

  • IoT機器として利用
    Wi-FiやEthernetポートがついているモデルでは、インターネットと接続してIoT機器として利用できます。もちろん、AWSといったクラウドと組み合わせて利用することも可能です。弊社でRaspberry Piを利用する場合はIoT機器として利用することが多いです。

Raspberry Piのモデル紹介

Raspberry Piには様々なモデルがあるとご紹介しました。
ここでは、その一部をご紹介したいと思います。

  • Raspberry Pi 3 Model B+
    Wi-FiやBluetoothが使える高性能なモデルです。
    これよりも新しいモデルが出ていますが、(2021年10月現在)比較的入手しやすいモデルです。
Raspberry Pi 3 Model B+ 写真
Raspberry Pi 4B 写真
  • Raspberry Pi 4 Model B
    Raspberry Pi 3 Model B+よりも高性能なモデルです。メモリサイズ違いで4モデルあります。発売当時は発熱の問題を抱えていましたが、ファームウェアの更新で改善したようです。ただし、使用する際は、ヒートシンクやファンの利用がおすすめです。
    Raspberry Pi 3 Model B+と比べるとHDMIや電源用USBの形状が異なります。
  • Raspberry Pi Zero
    上記二つのモデルと比較すると、基板が小さく、処理能力が低く、安価なモデルです。また、Wi-FiやBluetoothが利用はできません。
    Raspberry Pi Zeroにはバージョンがいくつかあり、2021年9月現在最新はVer1.3です。
Raspberry Pi Zero 写真
Raspberry Pi Zero WH 写真
  • Raspberry Pi Zero W
    Raspberry Pi ZeroにWi-FiやBluetoothが追加されたモデルです。本モデルにはGPIOのヘッダピンがついていません。
    また、本モデルにヘッダピンがはんだ付けされたRaspberry Pi Zero WHもあります。(写真はRaspberry Pi Zero WH)
  • Raspberry Pi Pico
    Linux OSが搭載できないマイコンボードです。他のモデルはPCとして使えますが、このモデルはPCとしては利用できません。ただし、500円程度と非常に安価かつMicroPythonを利用できるという特徴があります。
Raspberry Pi Pico写真
Compute Module 3+ 写真
  • Compute Module 3+
    Raspberry Pi 3 Model B+と同じプロセッサが利用された、産業用のモデルです。ストレージ(eMMC)の有無やストレージの容量違いで4モデルあります。基板サイズはRaspberry Pi 3 Model B+より小さいですが、GPIOなどのインタフェースを利用するには拡張ボードが必要になります。また、公式の拡張ボードを含め、Bluetooth、Wi-Fi、Ethernetポートはついていません。これらを利用したい場合は、公式以外の拡張ボードを利用するか、自分でハードウェアを用意する必要があります。
  • Compute Module 4
    Raspberry Pi 4 Model Bと同じプロセッサが利用された、産業用のモデルです。ストレージ(eMMC)の有無やストレージの容量違い、メモリサイズ、Wi-Fi/Bluetoothモジュールの有無の違いで32モデルあります。基板サイズはRaspberry Pi 4 Model Bよりやや小さいですが、GPIOなどのインタフェースを利用するには拡張ボードが必要になります。Compute Module 3+とは異なり、Wi-Fi/Bluetoothが利用できるモデルがあります。また、公式の拡張ボードを利用すれば、Ethernetポートが使えます。
Compute Module 4 写真

終わりに

本技術コラムではRaspberry Piについて取り上げました。ご紹介した通り、Raspberry Piは様々なことに利用できる安価なマイコンボードです。次の記事では、Raspberry Pi Picoについて詳しくご紹介する予定です。是非ご覧ください。

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投稿者プロフィール

ソフト担当T
ソフト担当T
メインはソフト担当ですが、筐体設計も担当します。プログラミング言語はPythonやC言語の経験が多いです。また、たいチャレ(詳細は右バーナー参照)にも参加しており、日々、様々なことを学びながら業務に取り組んでいます。