技術コラム(第3回)組み込みハードウェアの特徴
組み込みハードウェアは、組み込みシステムが発達する以前、電子制御を行う仕組みをアナログ回路やデジタル回路(電子回路)により構成していましたが、各種機器に新たな機能を追加する度に回路を変更する必要があり、コストがかかるという問題が発生していました。
組み込みシステムの発達
1980年代以降のマイクロプロセッサの発達により、コンピュータを用いた制御方式を導入することで、電子機器の回路は変更せず、ソフトウェアの部分のみを変更することで機能の追加が可能になり、機能追加に必要なコストが削減されました。
このため、ほとんどの電化製品に組み込みシステムを搭載するようになり、それにより、製品の付加価値となる新機能が比較的容易に追加できるようになり、高機能化・多機能化が進みました。
ハードウェアの特徴
高機能化・多機能化により、組み込みシステムを搭載した機器のハードウェアの構成パターンとしては以下のような分類に分かれます。
- 独自のハードウェアのみで機器を構成
- 汎用のマイコンボードと独自のハードウェアを組み合わせて機器を構成
- 汎用のハードウェアのみで構成
製品の目的や、製品が販売されるマーケットの性質に応じて、上記3パターンから選択され、より具体的には以下のような要素を考慮してハードウェアの構成が検討されています。
- 形状
- サイズ
- 量産品か否か
形状が特殊であったり、サイズが特別に小さい製品などでは、汎用のハードウェアを内蔵することが出来ない事があり、その場合は専用のハードを新たに開発しなければならなくなります。「量産品・少量生産品」というのは、「独自ハードウェアは、開発コスト(回路設計費、基板設計費等)がかかる」という事実があり、「量産品の場合は全体の大きなコストの中にそれを含めてしまえば良いのだが、少量生産品の場合はそうできないというハードルがある」ということになります。
厳密で適切な選択となると、原価計算も踏まえて行う必要がでてきます。
このように、組み込みハードウェアは、製品の機能面だけでは無くコストの考えも重要になります。
最後に・・・。
ハードウェアを生産するに場合に、必ずコストを考える事は前章で説明しました。
しかし、ハードウェアの部分だけのコスト削減にも限度があります。また、ソフトウェアでコストを削減する場合でも、品質保証などで、なかなかコストを抑えることが難しくなります。
少しでもコストを抑えるには、やはりハードウェアとソフトウェアを同じ会社で一括して開発するのが、余計なコストを下げる方法ではないでしょうか?
なぜなら、組み込みシステムの開発は、同一会社で行う方がハードウェアとソフトウェアの仕様の誤認を抑えられ、開発期間を短縮させる事が可能になるからです。
次回は、組み込みシステムの現状と未来を記載します。
組込開発.comでは、組み込みシステムの開発を承っております。これまでの実績については開発実績をご覧ください。
投稿者プロフィール
- メインはソフト担当ですが、筐体設計も担当します。プログラミング言語はPythonやC言語の経験が多いです。また、たいチャレ(詳細は右バーナー参照)にも参加しており、日々、様々なことを学びながら業務に取り組んでいます。
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