技術コラム(第20回)IoT技術について

はじめに

IoTは最近よく使う用語になっていますが、実際どういうことがIoTで何ができるのか分からない方もいると思います。今回のコラムではIoTの概念と組み込み開発との関係、そして今後の課題についてご説明したいと思います。

IoTとは

IoTは「Internet of Things」の略語で、日本語にすると「モノのインターネット」という意味になります。ここで「モノ」はインターネットに接続されていない様々なモノを意味し、このような「モノ」をインターネットに接続させることで、次のようなことが実現できます。

  • 「モノ」の状態を確認する。
  • 「モノ」を遠隔操作する。
  • 「モノ」から収集したデータを活用する。
Iotイメージ図

上記、3つの項目について、家にあるエアコンを例で説明すると、
エアコンはリモコンで電源を入れたり、温度を調整するのが普通ですが、これをIoT化することでインターネットを経由し、ご自身のスマホで操作ができるようになります。

  1. エアコンの状態を確認する。
    エアコンの電源、設定温度などを確認できる。
  2. エアコンを操作する。
    帰宅前に先に電源を入れたい、電源を入れたまま外出した時に電源を切る場合スマホで遠隔操作できる。
  3. エアコンを操作したデータを分析し、より効率的に使用する。
    エアコンの電源を入れた時間、使用時間などのデータを収集し、規則性を見つけだすことで、エアコンが自動で稼働して一定時間が経つと電源をoffにすることができる。

このように、ただの家電製品もインターネットに繋げることで生活がより便利になることでしょう。

IoTと組み込み開発の関係

IoT技術と組み込み開発はどのような関係があるでしょうか?
IoTで重要な部品は「モノ」に付けるセンサーになります。センサーなしでは、ただインターネットに繋がっているだけの「モノ」で、何の役にも立たないからです。
例えば花瓶をIoT化するとします。普通の花瓶では花を飾るだけの役割ですが、温度センサーをつけて周囲の温度を測定し、その花が育つ適切な温度ではない場合スマホに周知したり、タイマーを付けて水やりの時間を周知したりすることができます。
右図は温度センサーの例です。

IoTセンサ例
LM335Z (温度センサー)

このようにIoT機器は「モノ」にセンサーを付け、そこで検知された情報を人や別のモノに知らせるのが基本的な仕組みのため、組み込み開発が不可欠になります。

IoTと今後の課題

IoTの活用によって、私たちの生活がより効率的で便利になることが期待されていますが、その実現のためにはまだ課題が残っています。

  • IoT機器のセキュリティ問題
    IoT機器は様々な「モノ」をインターネットに繋ぐのが基本になっているため、サイバー攻撃の対象になる可能性が高くなっています。特にIoT機器は一つの機器が感染した場合、同じネットワークにつながっている別の機器にも影響を及ぼす可能性が高いので対策が必要になります。
  • IoT開発の技術者不足
    IoT開発は広がりつつありますが、それを支えるIT技術者が不足しているのが現状です。このような問題を短時間で解決することは難しいですが、若手の育成やITスペシャリストへの教育は今後も必要になるでしょう。

まとめ

IoTの開発は今後も私たちの日常生活に存在する様々な「モノ」をインターネット繋げることで、より便利な製品やサービスが生み出されると思います。まだ解決しなければならない課題も残っていますが、今まで以上に豊かな生活ができることは間違いないと思います。
開発実績の中にもデータをクラウドに上げて処理を行い、管理用PCで状態を監視できるシステムの例を挙げています。是非ご覧になってください。

最後に

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投稿者プロフィール

クミコうぇぶWJM
クミコうぇぶWJM
Webアプリ開発がメインになっていますが、学生時代から組込み技術に興味がありたまにラズパイいじりもしています。業務上Javaの経験が多いですがC言語やscript言語も勉強しています。