技術コラム(第8回) USB
前回 と 前々回 の記事では「RS232C」「RS485」についてご紹介しました。
今回は、シリアル通信の代表格である、「USB」規格について記載したいと思います。
USBとは
USB(ユニバーサル・シリアル・バス)は、コンピュータ等の情報機器に周辺機器を接続するためのシリアルバスの規格の一つです。
ユニバーサル(汎用)の名の通り、様々な周辺機器を接続するためのバス規格です。
USBは1996年、「USB1.0」として初めて規格化されました。
現在のコンピュータ周辺機器において、最も普及している汎用インターフェースの一つで、「RS232C」等の置き換えを狙って開発されました。
USBの特徴
ここでは「USB」の特徴について記載します。
主な特徴として以下が挙げられます。
- USBハブによる接続の拡張
- 最大127台のUSB機器を接続可能
- 高速転送速度による、高速通信
USB規格は、最大転送速度の向上などを求めて何度か規格が拡張されています。
USB2.0の登場によってIDEやSCSI、イーサネットなどの高速転送規格が必要であった
ハードディスクドライブ等の機器との接続に使われるようになりました。
その他にも以下の特徴があります。
USBポートからの電源供給
コンピュータからの供給電源だけで駆動するバスパワー式※1、
ACアダプターによる外部電源で駆動するセルフパワー式※2で電源供給することが可能です。
※1 USBケーブルを通じてコンピュータ本体から周辺機器に給電する仕組みです。
※2 ACアダプター経由で、周辺機器に給電する仕組みです。
規格名 | 仕様発行日 | 最大データ転送速度 | 給電能力(5V) |
USB1.0 | 1996年1月 | 12Mbit/s | — |
USB1.1 | 1998年9月 | 12Mbit/s | — |
USB2.0 | 2000年4月 | 480Mbit/s | 500mA |
USB3.0 | 2008年11月 | 5Gbit/s | 900mA |
USB3.1 | 2013年8月 | 10Gbit/s | 1000mA |
USB3.2 | 2017年9月 | 20Gbit/s | 1.5A or 3A |
USB4 | 2019年9月 | 40Gbit/s | 1.5A or 3A |
プラグアンドプレイに対応、ホットプラグ対応
接続時にユーザーが何か特別なことをしなくても実行でき、電源を投入したまま脱着を行なえます。
4つの転送方式
コントロール転送※3、バルク転送※4、インタラプト転送※5、アイソクロナス転送※6の4つの
転送方式があります。
※3 周辺機器の制御などに必要な情報のやりとりに使用される転送方式です。
主な用途:特定の用途はありませんが、全てのUSBデバイスでサポートされている転送方式です。
※4 非周期的に大量のデータを扱う転送方式です。
主な用途:プリンタ、スキャナ、DSC、FDD、CD-ROMなど。
※5 周期的でバンド幅が低いデータ転送方式です。
主な用途:マウス、キーボード、ジョイスティックなど。
※6 リアルタイム性が要求される転送方式です。
主な用途:スピーカー、マイク、電話など。
コネクタ
コネクタの形状は、USB規格で定められています。
パソコン側に使われるAタイプやプリンタに多いBタイプ形状のほかに、デジタルカメラではさらに小さな、ミニBと呼ばれる端子が使われています。
他にもUSB ミニAタイプ、USB マイクロBタイプがあります。
USB A端子はその端子を正面から見るといずれ側からも長方形となっており、接続する際に裏表を間違う事があります。
しかし、USBポートのオス側のコネクタ内の厚みの半分ほどをプラスティックの板で塞ぐ事により、裏表を間違えずに指すことができます。
最近では、リバーシブル接続可能な「USB タイプC」という規格も策定されています。
このタイプCは、コネクタのサイズはマイクロタイプBと同程度で、転送速度は最大10Gbps、電力供給は100Wまでとなっています。
おわりに
今回は、「USB」についてご紹介しました。
様々な端末に搭載されている「USB」ですが、組込開発.comではUSBに関連した 開発実績があります。
まずは「USBデバイスドライバ開発」の実績として、複数の機能(AUDIOクラス、Mass Storageクラス、HIDクラス)を使用した複合デバイス等、様々な構成のドライバの開発実績があります。
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投稿者プロフィール
- メインはソフト担当ですが、筐体設計も担当します。プログラミング言語はPythonやC言語の経験が多いです。また、たいチャレ(詳細は右バーナー参照)にも参加しており、日々、様々なことを学びながら業務に取り組んでいます。
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