技術コラム(第11回) はんだ付けについて

組み込み開発の世界には、主にソフトウェアに属する技術とハードウェアに属する技術が存在します。
今回は、ハードウェアに属する技術の中から、もっともポピュラーとも言える、「はんだ付け」について記述したいと思います。

はんだ付けとは?

はんだ付けとは、はんだを熱で溶かしたものを接着剤として扱うことにより、金属や電子部品を接合する作業のことです。
(従来のはんだは鉛とスズの合金でしたが、環境問題に対応するため、現在ではスズ-銀-銅の合金が良く使われています。)
金属や電子部品を接合する目的は2つあります。

① 電気的に接続

 金属同士を接合することにより、電気を通す事が出来ます。

② 機械的に接続

 金属同士を目的の位置に固定する事が出来ます。
 例えば、基板に電源IC等をはんだ付けで接合し、電気を通すことが可能となります。

はんだ付けの作業手順-

はんだ付けを行う方法は、通常、「手作業」「機械付け」の何れかとなります。 今回は、「手作業」で行なう手順を記述したいと思います。

① 「はんだごて」、「こて台」、「はんだ」を準備します。

はんだごてとこて台 写真
こて と こて台

   ※ 上記の物を準備する際に、こて台のスポンジ部分に水を含ませる。
   ※ 物によっては、スポンジがない事もあるので、その際は別途で用意しましょう。

② はんだごての電源を入れ、こて先を温めます。

   ※ 温める際に、充分熱くしてから使いましょう。
       また、物により温度設定が出来るものありますので、その際は電源を入れると設定された温度になります。

③ はんだごてを基板の「ランド」と呼ばれている部分と部品の足(リード線)にあて、それぞれ3~4秒温めます。

はんだ付け 写真
はんだ付け

④ はんだ付け

   こて先にはんだを軽く押し当てます。
   押し当てるとはんだの先から溶け始めるので、そのまま一気に押し当て、はんだがランド全体に流れていくま    で溶かします。

⑤ フィニッシュ

   接合部分のはんだが富士山型になったら、先にはんだを離し、次にはんだごてを離します。
   ※ 余分に飛び出ている部品の足(リード線)は、ニッパー等で切りましょう。

良いはんだ付けの見分け方

良いはんだ付けは、見た目も綺麗です。逆に悪いはんだ付けは、見た目も悪く、うまくくっついていないと、電気も流れません。
また、となりのピンとショートしてしまう時もあります。

<良いはんだ付けのポイント>

  • ランドとリード線の両方にはんだがしっかり付いているか。
  • 表面がなめらかになっているか。
  • 富士山のような形になっているか。
良いはんだ付け例 写真
良いはんだ付け例

はんだがしっかり溶けていると、上記のように綺麗なはんだ付けになります。
逆に悪いはんだ付けは、どこが悪いのでしょうか。

<悪いはんだ付けのポイント>

目玉はんだ

ランドにはんだは、付いていますがリード線にはんだが付いていない状態です。

目玉はんだ 写真
目玉はんだ

イモはんだ

目玉はんだとは逆で、リード線にしかはんだが付いてない状態です。

イモはんだ 写真
イモはんだ

ブリッジ

はんだ付けする場所が隣接している際に、2箇所がはんだで繋がってしまった状態です。

ブリッジ 写真
ブリッジ

さいごに

今回は、はんだ付けについてまとめました。
はんだ付けは、基板製造や実装を行う際に必要な技術となり、組み込みのハード技術では必須となる技術です。
組込開発.comでは、回路設計、基板設計/製造、実装までの 開発実績がございます。 お考えのシステムにおいて、このような開発が必要な方は、是非一度、弊社までお問い合わせください。

投稿者プロフィール

ソフト担当T
ソフト担当T
メインはソフト担当ですが、筐体設計も担当します。プログラミング言語はPythonやC言語の経験が多いです。また、たいチャレ(詳細は右バーナー参照)にも参加しており、日々、様々なことを学びながら業務に取り組んでいます。